キャロル・オコンネル「吊るされた女」



吊るされた女 (創元推理文庫)

吊るされた女 (創元推理文庫)


キャシー・マロリー、ニューヨーク市警刑事。完璧な美貌の天才的ハッカー、他人に感情を見せることのない氷の天使。相棒の刑事ライカーの情報屋だった娼婦が吊るされた。美しい金髪は切られて口に詰めこまれ、周囲には虫の死骸。臆測を巡らす他の警官を尻目に、マロリーは事件を連続殺人鬼の仕業と断定する。だが・・・。ミステリ史上最もクールなヒロインが、連続殺人鬼に挑む。



マロリーシリーズ久々の新刊。本の帯では「マロリーの過去がよみがえる」とあり、シリーズ既刊でさンざマロリーの過去の話に触れてきたものとしては「またマロリーの過去が絡むのかよ!『天使の帰郷』と『魔術師の夜』あたりでもう決着着いただろ!おうおう」と思わないでもなかったのですが、読ンでみるとそこまで絡みまくっているわけでもなくまぁこれくらいの絡み方なら別にええやね、と思ってしまったワシでありましたとさ。いや確かに幼少時のマロリーの行動がある意味本書のキーになっているのではありますが、何かもうこれが色々と「あざといなさすがマロリーあざとい」と思わざるを得ないものであり、もう何だ、全て許すとしか言いようがない。ずるいよこれ・・・(このマロリーの幼少時の戦略はすげぇわかる話だしな!)


警察小説としての味わいよりもマロリーを中心としたキャラクター小説としての味わいが強くなりつつある気がするのですが、果たしてシリーズのこの先の展開や如何に。いや面白けりゃ別にいいンですが。本書も結構な厚さでしたが、さらっと読めちゃいましたよ