ロン・カリー・ジュニア「神は死んだ」



神は死んだ (エクス・リブリス)

神は死んだ (エクス・リブリス)



「神の肉」を食べたために、知性が高度に発達した犬へのインタビューをはじめ、「神の不在」がもたらす「ねじれ」の諸相に、斬新な語りとポップな感性で切り込む。全米で話題騒然の新人による、異色の9篇を収めた連作短篇集。“ニューヨーク公立図書館若獅子賞”受賞作品。



最初の話でいきなり神様が死ンでしまう(文字通り)という衝撃的な展開から始まる、神が死ンだ世界で展開される色々なお話の物語。神が死ンでしまったことにより聖職者は絶望し自殺に走り、希望のない若者たちはお互い銃を突きつけ合ってアグレッシブな自殺を試み、神の肉を食べた犬は人語を解する高次の生き物になり、子供を崇拝する新たな宗教が生まれたり、ポストモダン人類学と進化人類学というよくわからぬ人類学の戦争が発生したりと、キリスト教圏ならではの奇想満載なお話でありました。


結構ヘビーなテーマだと思うけど、ユーモアでかなり覆っているのでさらっと楽しめる作品だと思います。宗教に馴染みのない人間だとピンとこないかもしれないけど、そーゆーの差し引いても楽しいと思うのでこれはオススメですよン。