小説感想 カーター・ディクスン「パンチとジュディ」




結婚式前日、かつての職場、英国情報部の上司であるH・M卿に呼び出されたケンは、元ドイツ・スパイの老人の屋敷に潜入を命じられた。その老人が国際指名手配中の怪人物Lの正体を明かすと情報部に接触してきたので、真贋を確かめろというのだ。だが、屋敷でケンが目にしたのは老人の死体。事態の急変にめげず、ケンは任務を遂行し、式を挙げることができるのか?奇想天外な大犯罪を暴くH・M卿の名推理が新訳で登場。



カーのスラップスティック要素がこれでもか、とばかりに前面に押し出された快作。
カーらしい、という内容ではありませんが実に面白かったですよ。
犯人の正体とかトリックとかもさることながら、後半に差し掛かるまで何が起こっているのか登場人物にも読者にもよくわからん、というプロットが実にナイス。(そして犯人特定のヒントは序盤の方にある、というのがまたニクイ)
つーか不覚にもラストのオチで大爆笑。か、完璧な構成だ・・・っ!(;´Д`)