小説感想 ウィリアム・L・デアンドリア「ホッグ連続殺人」



ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)


雪に閉ざされたニューヨーク州スパータの町は、殺人鬼HOGの凶行に震え上がった。彼は被害者を選ばない。手口も選ばない。不可能としか思えない状況でも、確実に獲物をとらえる。そして巧妙に事故や自殺に見せかけたうえで、声明文を送りつけるのだ。署名はHOG───このおそるべき連続殺人事件解決のため、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネディッティ教授が乗り出した!アメリカ探偵作家クラブ賞に輝く本格推理の傑作



噂には聞いていたけど、いやこれは凄いわ、うん。
1979年のアメリカ産だってのに、何でしょうこの本格スピリッツぶりは。「名探偵VS謎の殺人鬼」というベタな構図と展開で読ませながら、何故「HOG」なのか?というパズル的な謎解きもあるというサービスぶり。(そしてその解決はインパクト大で超感動) ミステリヲタにはたまらん内容ですよ!素晴らしすぎる。


ある手がかり(伏線)について日本人じゃぁ想像がつかん、とかちょっと偶然くさいとか、弱点をあげつらうことはそりゃーできますが、そんなことには目を瞑って、この偉大なミステリに酔いしれて欲しいものです。つーか何でこんなステキな本が長いこと絶版だったん?ハヤカワ文庫おかしいよ!