小説感想 ジョージ・R・R・マーティン「氷と炎の歌1 七王国の玉座」上下巻



七王国の玉座〈上〉―氷と炎の歌〈1〉 (氷と炎の歌 (1))

七王国の玉座〈上〉―氷と炎の歌〈1〉 (氷と炎の歌 (1))



七王国の玉座〈下〉―氷と炎の歌〈1〉 (氷と炎の歌 (1))

七王国の玉座〈下〉―氷と炎の歌〈1〉 (氷と炎の歌 (1))


季節のバランスが崩れ、夏と冬ばかりが何年も続く「七つの王国」。かつての王ターガリエン家を退位させてから、スターク家、バラシオン家、ラニスター家ら王国の貴族たちは不安定な休戦状態を保ってきた。ところが、現在の王ロバート・バラシオンが幼馴染のエダード・スタークに補佐役「王の手」を任命してからは状況は一変する。首都キングズランディングで渦巻く王権を巡る貴族たちの陰謀は、エダードとスターク家の子供たちを次第に巻き込んでゆく。
一方、南方の草原では「ドラゴンの子孫」を名乗るターガリエン家の末裔が騎馬民族と結託して、王座の奪回を狙っていた。また王国の北側を守っている「壁」の向こうでは、人知を超えた邪悪な力が蠢き出し、七王国に長く厳しい「冬」の予感が漂い始める・・・。
ローカス賞受賞の大河ファンタジィ<氷と炎の歌>、ついに日本上陸!



まずこの作品に触れるために、超えるべきハードルを紹介。

  • ハードカバーなので高い。(2冊で6000円近い)
  • 異様に長い。(各巻2段組で400ページ以上)
  • キャラクター多すぎ。(覚えきれません)
  • シリーズ完結まであと何年かかることやら。(気長に待ちませう)



こんなところかな?この辺のハードルを軽やかに越えられるならば、実にステキな読書体験ができると思われます。迷うことなく本屋に赴き購入致しましょう。(図書館でも一応可)
洋モノファンタジーといえば「指輪物語」が代表的なところですが、それに比べると本作はまったくファンタジー作品らしくありません。何か普通に戦国群雄小説読んでるよーな感じ。ホビットも出てこなけりゃ魔法も無いし。(ラスト近くでよーやくそれっぽくなったかな?というところです) そーいった意味では、ファンタジー = 剣と魔法 という文化の方にはあまりオススメできないかもだ。


じゃあどー面白かったのよ?と問われるならば、まず各章ごとに異なる視点を用いたことによる構成の妙が実に素晴らしいかな、と。異なるキャラの視点を用いることで、状況の緊迫感がかなり巧みに表現されているのですが・・・。これが圧倒的な筆力もあってか、手法としてはありきたりといえばそうですがやはりスゲェなぁと。あと結構暗いストーリーなのも個人的にはグッド。物語の波に翻弄され散っていくキャラクターの様は壮絶の一言に尽きます。


いやー実に面白かった!そしてスゲー続きが気になる!
つーわけで、続編「王狼たちの戦旗」上下巻は既に所持しているゆえ、続いてこれを読む予定。