小説感想 乾くるみ「イニシエーション・ラブ」
- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本
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大学4年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。
やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。
マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。
ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。
週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。
2部構成となっていまして、それぞれA面/B面と名前が付けられています。
A面の章にはラブソング系統の曲名がつけられており、逆にB面の章には失恋系統の曲名が。
ストーリーもA面はつき合うまでの過程を、B面では破局に向かう過程を描いています。
で、内容としてはほんとこれだけ。事件らしい事件も発生しませんし、謎らしい謎も何一つなし。よって探偵も登場しません。ほんと普通の恋愛小説。いや、マジに最後まで恋愛小説でしたよ。
と こ ろ が 。
読了前のワシ
_, ._
( ゜ Д゜)
( つ旦O
と_)_)
読了後のワシ
_, ._
( ゜ Д゜) ガシャ
( つ O. __
と_)_) (__()、;.o:。
゜*・:.。
え?
え?え?え?
な、何が起こった?起こっていたんだーっ?
えええええええええええええーっ?
と、久々にありえないほどのサプライズを得てしまいました(;´Д`)
本の帯に「ぜひ、2度読まれることをお勧めします」と書いてあるのは伊達じゃねーぜ・・・。これは再読しないと話についていけん。(つーか構成が理解できん)
で、パラパラを再読し、よく考えた末によーやく内容を理解しました。
す、凄すぎる。そして邪悪すぎる。
た、確かに伏線はあるよな…。フェアだよなぁ…。
いやーもう、びっくりとしか形容できませんよこんなの。
ワシもそれなりのミステリ読みなので多々ネタを予想しつつ読み進めてはいたんですが、はっきりいってこれは無理。 予想の斜め上をロケットで突き抜けていますぜこいつぁ。
内容を理解するためには読者が自分で考える必要があるあたり、ちょっとミステリ初心者には勧めにくいところがあると思います。でも抜群のサプライズが味わえ、さらに読了後も楽しめる2度美味しい内容ですので是非読んで欲しいところ。
いやー凄かった。そして邪悪だった。