小説感想 森奈津子「西城秀樹のおかげです」
- 作者: 森奈津子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/11/09
- メディア: 文庫
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「ありがとう、秀樹!わたくしとお姉様は、あなたのことを決して忘れませんわ」───謎のウイルスにより人類が死滅した世界で、ひとりの百合少女の野望を謳いあげる表題作、前代未聞のファーストコンタクト「地球娘による地球外クッキング」、1979年を舞台にした不条理グラフィティ「エロチカ79」ほか、悩める人類に大いなる福音を授ける、愛と笑いとエロスの全8篇。日本SF大賞ノミネートの代表作、待望の文庫化。
バカ&エロスSFの超傑作。
うん、まだまだ世界にはワシの知らない馬鹿な本が満ち溢れているねっ!(超イイ笑顔で)
人に勧めた場合、「お前頭おかしいんじゃネーノ?」的生暖かい視線でじっくり視姦される恐れがありますが(;´Д`)
バカな本が大好きで辛抱たまらんという人は読め。(命令形かよ!)
さて、本作は短編集なのでいつものよーにミニコメを。
「西城秀樹のおかげです」
表題作。タイトルの意味がわかった瞬間「ありえねー!」と絶叫。そして爆笑。SFってこんなのもアリなん?何て懐の広いジャンルなんだ…。
「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」
奴隷のボケ&主人のツッコミが超愉快。そして予想外(予定調和?)のオチで悶絶。
「天国発ゴミ箱行き」
後半のメタレベルのオチに感心したのですが、途中の三文エロドラマ的な展開が何とも脱力モノで素晴らしいとしか言い様がありません。
「悶絶!バナナワニ園!」
本作でもっともエロスあふれるお話。エロス溢れる分、他の収録作よりもちょっと笑いがねーなー、と思っていたらオチでやられました(;´Д`)
「地球娘による地球外クッキング」
本作でもっともSFスピリットにあふれるお話。って食うのかよ!スゲェ狂ってる!超ステキ!
「タタミ・マットとゲイシャ・ガール」
これだけちょっと気色が違うかな?本作に収録されている作品の中では一番まともです。(いろんな意味で)
「テーブル物語」
序盤のエロ展開が全て後半の展開のためのネタフリだったとはっ!
「エロチカ79」
本短編集の中で一番のツボ。ギャグの基本「繰り返し」を巧妙に使いつつ、それぞれアレンジを効かせた展開が実に愉快。最後の方はゲラゲラと狂ったよーに笑って読んでましたよ!
えーと、総括としては「個人的には超オススメですが、すげぇ人を選ぶ」かな?
微妙にエロいので、一応18歳未満の方は自己責任で読んでね、ってことでひとつ。(でも実際、読了後は「エロいなぁ」よりも「バカだなぁ」の方を強く感じるでしょ)