小説感想 貫井徳郎「殺人症候群」



殺人症候群 (双葉文庫)

殺人症候群 (双葉文庫)


警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。そのリーダーである環敬吾は、部下の原田柾一郎、武藤隆、倉持真栄に、一見無関係と見える複数の殺人事件の繋がりを探るように命じる。「大切な人を殺した相手に復讐するのは悪か?」「この世の正義とは何か?」という大きなテーマと抜群のエンターテインメントを融合させた怒涛のノンストップ1100枚!



ヘビーな話だった…。


「症候群」シリーズ完結編。


本作は「必殺仕置人VS必殺仕置人」というシチュエーションを登場させながらも、愉快なエンターテインメントで終わらせずに、リアルな社会派ミステリっぽくヘビーなテーマを最後まで貫いてます。一応ちょっと吃驚のミステリ的仕掛けもありましたが、そんな嬉しい仕掛けも霞んでしまうほどのヘビーな内容。


これはもう、波長が合わないと読むの辛いだろーな、きっと。(ワシはかなり好きです)
貫井徳郎のパッションが異様なまでに感じられるのでファンには堪らんだろーけど。


読み終わると鬱入るかもしれませんので、小説にエンターテインメントを求めている方はスルーされるが吉かもだ。