小説感想 矢作俊彦「真夜中へもう一歩」



真夜中へもう一歩 (角川文庫)

真夜中へもう一歩 (角川文庫)


横浜医科大学の処理室から一体の屍体が消えた。屍体は江口達夫とい医大生のもので、学術解剖用に遺体を提供するという遺書が死語発見されていた。消えた屍体の捜索を依頼された神奈川県警捜査一課の二村永爾は、江口の友人二人を訪ねるが、その数日後、屍体は処理室に戻っていた───。『ロング・グッドバイ』の二村永爾シリーズ第2弾!傑作長編ハードボイルド。



か、かっちょえー!


いやーやっぱりハードボイルドは文体ですねっ!冒頭からラストシーンまで、もう惚れ惚れしてしまうぐらいのカッコよさ。メインの登場人物から脇役に至るまで、「何で貴方達はそんな素敵セリフを喋りますか?」と唸ってしまうほどハードボイルド要素を堪能しました。


そりゃーミステリ的な面白さも十分にありますよ?あらすじからは想像つかない程の捻りを見せるプロットでしたし。でもこの語り口はそんな要素を全て吹っ飛ばしてしまうほどのインパクト。ああもうカッコイイな二村!(タフすぎないところがまた素敵)


解説を担当している高橋源一郎の「解説の名を借りたオナニー文章」には閉口してしまいますが(;´Д`) とにかくハードボイルド小説がお好きな方は必読の書。いやー堪能した。