小説感想 東川篤哉「交換殺人には向かない夜」



交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス)

交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス)


その冬いちばんの雪の夜、交換殺人は密やかに実行されようとしていた。


浮気調査を依頼され、使用人を装って山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。ガールフレンドに誘われ、彼女の友人が持つ山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。寂れた商店街の通りで起った女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。別々の場所で、全く無関係に夜を過ごしているはずだった彼らの周囲で、交換殺人はいかにして実行されようとしていたのか?飄々と、切れ味鋭い傑作本格推理!



東川篤哉がついに化けたーっ!


スラップスティック・ミステリを独自路線で開拓し続ける東川氏。
本作もそれなりのスラップスティック要素を持ち合わせてはいるのですけど、今回はミステリ要素が異様に力入っていましたよ。(スラップスティック要素が満載のミステリ「完全犯罪に猫は何匹必要か?」でコメディ要素はある程度満足したのかな?)


いやー、結末で吃驚したのは随分と久しぶりでした。
「交換殺人」テーマなのでどーゆー風にオチをつけるのかと思っていたのですが。
レッドへリングの泳がせ方が巧み過ぎ。まさかこんなアプローチで来るとはっ!


これまでの東川作品では間違いなくベストの内容。オススメですっ!