小説感想 石持浅海「セリヌンティウスの舟」



セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)

セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)


荒れ狂う海で、六人のダイバーはお互いの身体をつかんで、ひとつの輪になった。米村美月、吉川清美、大橋麻子、三好保雄、磯崎義春、そして、僕、小島克之。石垣島へのダイビングツアー。その大時化の海で遭難した六人は、信頼で結ばれた、かけがえのない仲間になった───。そんな僕らを突然、襲った、米村美月の自殺。彼女はダイビングの後の打ち上げの夜に、青酸カリを飲んだ。その死の意味をもう一度見つめ直すために、再び集まった五人の仲間は、一枚の写真に不審を覚える。青酸カリの入っていた褐色の小瓶のキャップは、なぜ閉められていたのか?彼女の自殺に、協力者はいなかったのか?メロスの友、セリヌンティウスは、「疑心」の荒海の中に投げ出された!


ルールはひとつ。信じること。
メロスの友の懊悩を描く、本格の新地平!



うん、微妙。


たぶん読み手によって評価がかなり変わるんじゃないかなー。全編これ論理(詭弁でも可)で構成されている内容なので、ワシ的にはかなり好きなジャンルになるのですが…。論理を進める上での大前提が「信頼」というキーワードってのが、ねぇ?


何だか人間関係で疲れきった人が読むと「ありえねー!」と絶叫してしまいそうな内容でした(;´Д`) 既刊「水の迷宮」が肌に合わなかった人は、本作も恐らく肌に合わないよーに愚考いたしますが…はてさて。