小説感想 倉知淳「猫丸先輩の空論」



猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)

猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)


年齢・職業ともに不詳の童顔探偵猫丸先輩が、日常を"本格推理”する!イラストレーターの家のベランダに毎朝決まって置かれるペットボトル、交通事故現場に終結させられた無線タクシー、密室状態のテントの中で割れ、散乱していた7個のスイカ……などなど不可解で理不尽な謎がすらりと解かれる推理の極み6編。



んー、微妙に微妙。(伝われこのニュアンス!)


解決がすっきりしないものが多いっつーか、「ああもう作中できっちりとした解を出さんかい!」と思わず吼えたくなるとゆーか(;´Д`) 探偵には直接関わりのない、「日常の謎」の推理ってことなので解を出すためのデータが不足しているかも知れないんですよ、と言われればそれまでなんですけど、ああもうスッキリしない。カタルシスが足りない。カタストロフィが足りない。(それは要りません)


でも嫌いになれないこの不思議。語り口が独特だからかな?倉知ファンなら問題なく楽しめると思いますよん。倉知淳未読、という方には「星降り山荘の殺人」「過ぎ行く風はみどり色」あたりをオススメってことでひとつ。