小説感想 鳥飼否宇「痙攣的 モンド氏の逆説」



痙攣的

痙攣的


伝説的バンドのステージ上で起きた密室殺人!
前衛舞踏家が遺したダイイング・メッセージ!
客の前から消失したイリュージョニストへの罠!
───現代アートシーンで幻想的に繰り広げられる不可能事件。本格ミステリーの新しい地平!この謎は、快楽的なまでに美しい。



この本の感想を書く前に言っておくッ!


ワシは今この本のバカミスっぷりをほんのちょっぴりだが体験した。い…いや…体験したというよりは全く理解を超えていたのだが…。


あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!


『ワシは普通のミステリを読んでいたはずだったのに、気づいたらバカミスを読んでいた』


な…何を言っているのかわからねーと思うがワシも何をされたのかわからなかった…。頭がどうにかなりそうだった…。バカトリックだとか夢オチだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。






つーわけで、国内作品では本年度最高のバカミスだったのではないでしょうか(;´Д`)


3章までは割と(?)普通のミステリだったのですが…。4章に入ったとたん、あら不思議。一瞬にてバカミスに変貌ですよコレが。その目論みが成功しているかどーかは読者の受け取り方次第なんでしょーけれど、よくもまあこんなヘンなこと考えたもんだよなぁ…。


恐らくバカミス耐性がない方が読まれると「な、なんじゃこりゃー!」と絶叫すること間違いなしと思われるブツですので(並のバカミス好きでもこれはキツイかも)、「このミス」で好評価だからという理由で手を出すのは止めておくが吉かもだ。


もちろんワシは大好きですので、鳥飼否宇の既刊はちょっとチェック入れておこうっと。