小説感想 ジョージ・R・R・マーティン「氷と炎の歌2 王狼たちの戦旗」上下巻



王狼たちの戦旗 (上) (氷と炎の歌 2)

王狼たちの戦旗 (上) (氷と炎の歌 2)



王狼たちの戦旗 (下) (氷と炎の歌 2)

王狼たちの戦旗 (下) (氷と炎の歌 2)


七王国全土で、血で血を洗う激しい戦が続いていた。民は飢え、貴族たちは兄弟で殺し合い、黒魔術師が暗躍する混沌の時代。
運命に翻弄され散り散りになったスターク家の子どもたちも、それぞれの戦いを続けていた。都で残酷な少年王に虐げられている長女サンサ、故郷を目指し仮の姿で旅する次女アリア。"北の王"となって出兵した兄ロブの留守を守るブランにも、予想だにしない敵が迫る。一家の再開を願う母ケイトリンの思いとは裏腹に、運命はますます彼らを引き離していく……。
一方、"王の手"として都を守るティリオンは、玉座を奪おうと迫るスタンニスの軍勢と対峙するため奇策をめぐらせていた。
勝利は次々に、より冷徹な剣と、より冷酷な心の持ち主の手に渡ってゆく。戦と陰謀に彩られた七王国で、壮大な群像劇がさらなる佳境を迎える!



大傑作としか言い様がありません、いやほんと。


第1部「七王国の玉座」では「我こそが正当な王なり!」と王国各地で貴族が挙兵し、さあこれから国取りゲームの開始だっ!というくだりまでが展開されました。


で、それを受けての第2部である本書。「あれ?ワシ、ファンタジー読んでるだよな…?」と疑いを持ってしまうほどに、戦国小説な内容になっていやがります。「こんな条件で講和などできるかっ!」やら「そんな条件では人質は返せん」やら「今があの城を落すチャンス」やら、もう謀略と駆け引きの嵐ですよ(;´Д`)


そして戦乱の七王国を生き残っていくのはこの世の真理とばかりに「力ある者」。身の程を知らぬ者や弱者はすぐさま舞台から退場ですよ。(名のあるキャラでも例外なく) あと幾ら優れた実力者でも、味方に足を引っ張られるとあっさり敗北したりとか。まだシリーズ2作目だってーのに、大物キャラが何人か退場してしまったんですが(;´Д`) 一体この先、どんな展開にするつもりなんだ……?


とにかく冒頭からラストのキングスランディング王都攻防戦までテンションがまったく落ちず、かつストーリーは二転三転し先がまったく読めねぇ、というゴージャスここに極まれりといった内容で、読んでる最中(特に下巻)は実に至福のひと時でした。あー続きが気になるーっ!3部はまだかーっ!ヽ(`Д´) 


かなり骨太なファンタジー作品ですので読み応えは抜群、しかも異常すぎる面白さとくればオススメするしかないでしょ、さあ買うなり図書館で借りるなりして読むがいいさっ!


そしてワシと共に「さ、3部はまだ…っ?」と悶々とする日々を送るがよかろーて(;´Д`)