小説感想 北野勇作「ザリガニマン」



ザリガニマン (徳間デュアル文庫)

ザリガニマン (徳間デュアル文庫)


『有限会社ムゲンテック』の社員トーノヒトシは、「人類の敵」を開発する最中に、謎の爆発事故に巻き込まれた。破壊された機材、飛び散った現実。生体素材と人間とのインターフェイスは思いがけない事態に発展。彼は「正義の味方」ザリガニマンとなってしまったのだ。ゆけ、トーノヒトシ!戦えザリガニマン!書き下ろしだよ、ザリガニマン!!あの「かめくん」の姉妹篇が登場だ!



いつもどおりの北野SF。


つまりは何気ない日常と、少しばかりのノスタルジーと、読後に微妙なもやもや感をもたらすSFってことです。上記あらすじを読む限りでは仮面ライダー風味の内容かと思いがちですが、そんな要素は一切ありませんですよ。もう、どこに出しても恥ずかしくない北野SFですっ。(タイトルから判断すると、すげーキワモノっぽいですが(;´Д`))


つーかぶっちゃけ「かめくん」よりも好きかもだ。ラストのトーノヒトシの情感とか、ほんのり物悲しくてグッと来る物がありましたし。(このラストから「かめくん」へと繋がっていくわけですな)


結構面白く読んだのですけれども、本作だけだとぶっちゃけ意味不明なのがちょいと問題か(;´Д`) 「かめくん」読了者のみにオススメってことで。


あとどーでもいい話になるんですが、作中に登場した『いつでも後退、あとずさり。安全第一、ザリガニマン』っつーキャッチフレーズが素敵極まりないと思います、ぜひ日常生活でも使っていきたい所存。(使うチャンスなんてあるのかよ(;´Д`))