小説感想 矢作俊彦「さまよう薔薇のように」



さまよう薔薇のように (角川文庫)

さまよう薔薇のように (角川文庫)



矢作俊彦唯一のハードボイルド短編集(内容は連作)だそうです。つーか二村シリーズ最初の「リンゴォ・キッドの休日」は短編集と言えないこともないと思うのですが(;´Д`) まあそれはそれか。


収録作は「船長のお気に入り」「さまよう薔薇のように」「キラーに口紅」の3篇。どの話も二村シリーズ同様、キレのある文章&会話が展開され、そしてストーリーは二転三転するというまさにザ・ハードボイルドといった内容。長編にできそうなアイディアを無理に圧縮して詰め込んだ感じがしないでもないですが、これほどの濃密な世界を作り出す矢作氏の手腕には素直にシャッポを脱ぐしかありませんですぜ。


読んでる最中は痺れっぱなし(特に会話)の楽しい時間でした、ああもう面白素敵すぎっ!ハードボイルド要素が不足している方に特にオススメしたいところですっ。


つーか表紙のイラストはもちっと何とかならんかったのか(;´Д`)