小説感想 クレイグ・ライス「眠りをむさぼりすぎた男」



眠りをむさぼりすぎた男 世界探偵小説全集(10)

眠りをむさぼりすぎた男 世界探偵小説全集(10)


快活な大金持ちのフランクと嫌われ者のジョージ、フォークナー兄弟の脅威の館レイヴンムーアの週末パーティーに招かれたマリリーは、翌朝、ジョージが寝室で喉を掻き切られているのを発見した。そもそも、パーティーの顔ぶれからして妙だった。辣腕の刑事弁護士、元コーラスガール、万事控えめな英国人夫婦、正体不明の謎の小男、居合わせた人々はみな、ジョージに弱味を握られ、脅迫まがいの扱いを受けていたらしい。その証拠品を取り戻そうとして寝室に忍び込んだ面々は、それぞれジョージを発見しては秘密の露見を恐れて、パーティーが終わるまで口をつぐんでいようと決心する。交錯するそれぞれの思惑と、高まるサスペンス。そして一日の終わりに一同を待っていた驚くべき結末とは?40年代アメリカ最高の人気作家ライスがマイケル・ヴェニング名義で発表した幻の傑作。



バカミスっぽい気がしないでもない傑作。


真相が明らかになった瞬間に「ええー?その展開はありなのかよ!」と思わないでもなかったのですが(;´Д`) その後の論理展開に「確かに伏線は張っていないこともないなぁ、ちょっと微妙な気がしないでもないけど」と思ってしまったゆえ、コレはコレでありかな、と。


シンプルなトリックで勝負している作品なのですが、以外な真相と以外な動機はばっちり決まっていると思います。まさに知られざる古典の傑作かと。つーかサスペンスの高まりっつーよりもスラップスティックな味わいの方が強かった気がしないでもないですが(;´Д`)


………実はクレイグ・ライスは本書が初トライだったのですが、このグレードならば他の有名作、例えば「大あたり殺人事件」とか読んでみてもいいなぁ。ちょっと探してみよっと。