小説感想 古川日出男「gift」



gift

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神さまに触れるたくさんの方法。


妖精の足跡を捕まえる。
出さないつもりの手紙を投函する。
大観覧車が小さな国家に変わる。
12歳で低い世界は終わる。


「アラビアの夜の種族」「サウンドトラック」の著者が、大いなる/聖なるものに触れる手触りをvividに描いた掌編集。



何度でも読み返したくなるよーな、とってもステキな掌編集。


この容量で1300円ってのはちょっと高いかにゃ、と読む前は思っていましたけれども…。いやもうほんと、十分以上に元がとれる内容でしたよ。つーかヘタな映画観るよりも、よっぽど得られるものがあると思うのですよ。


掌編集といっても文学よりっつーよりもSF、それも「すこし ふしぎ」ちっくなお話のオンパレード。ゆえに普段この手の話を読まれない方にも自信を持ってオススメできる逸品なのですよん。とにかく素敵なお話が読みたい方は迷うことなく入手されるが吉だと思います。できれば購入して。なぜなら手元にずっと置いておきたくなる本だから。


いろんな話が収録されていますので、人によってお気に入りがかなり異なるのでしょーけれども………。ワシは「静かな歌」「夜中に目を覚ましたら雨が」の2篇が特にお気に入りかな。こんな話が大好きです。