小説感想 レオ・ブルース「ロープとリングの事件」
- 作者: レオ・ブルース,小林晋
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1995/03/01
- メディア: 単行本
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貴族の子弟を集めた名門パブリック・スクールで、校内ボクシング選手権の翌朝、勝者の青年が首吊りしたいとなって発見された。警察の調査では事件は自殺と見られていた。しかし、この判定に疑問を抱いたビーフ巡査部長は、早速車をとばして学校へと乗り込んだ。父親の侯爵の了解を得て操作にかかったビーフだが、相棒の作家タウンゼントの苛立ちをよそにパブ巡りや生徒相手のダーツの手ほどきに余念がない。調査が行き詰まりを見せはじめたそのとき、ロンドンのスラム街でまったく同じ首吊り事件が………。ユーモアあふれる作風で人気を集めたレオ・ブルースが、考え抜かれたプロットとミスディレクションによって、驚くべきはなれわざを演じた本格ミステリの傑作。
捻りが利いたナイス本格。
何はともあれワトソン役のタウンゼントがウザい事この上ないんですが(;´Д`)
まあその点に目を瞑って最後まで読了できれば、実に捻りの利いた本格ミステリであることを実感できると思われます。………つーかガチでワトソン役がウザいので、肌に合わないと感じた人はそーとー読むのに苦戦するんじゃないかにゃ。(何作か読めば愛らしいキャラと思えるよーになるのん?)
事件も展開も逮捕された犯人も平凡そのものでトリッキーさの欠片もないのですけれども、ビーフが語る真相の何と意外なことか。ぶっちゃければワンアイディアに頼った内容なんですけれども、まったくそのアイディアを感じさせない誤導のテクニックには脱帽するしかねー、という感じでした。
ミステリ好きなら十分満足できる内容だと思います、相性があるでしょーが個人的にはオススメできる作品かと。