小説感想 エラリー・クイーン「間違いの悲劇」
- 作者: エラリー・クイーン,飯城勇三
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 文庫
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『オセロー』をミステリ風に脚色すべく、ハリウッドでシェークスピア漬けの毎日を送っていたエラリーは、ロス警察のペルツ警部補を訪ねた折、モーナ・リッチモンドの訃報に接する。死の現場は『ハムレット』の舞台と同じ名で呼ばれるエルシノア城。サイレント時代に一世を風靡し巨富を築いた女優モーナの、隠棲の地であった。この怪死事件に幕を開けた城を繞る悲劇に翻弄され、シェークスピアの呪縛に苦悩する名探偵。終幕に待ち受ける、本格ミステリの精神に満ちた真相とは?巨匠エラリー・クイーンが遺した詳細なシノプシス『間違いの悲劇』に、単行本未収録の七編を併せ収める。
ごちそうさまでした。
人体練成でもブードゥー教の呪いでも何でもいいので、今すぐマンフレッド・リーを現世に召喚し「さあこの梗概をベースにして今すぐ長編をものにするのです、さあ書けすぐ書けいま書け」とタイプライターと塩を片手に脅迫まがいの脅しをかけたいくらいの、そんな素晴らしい本格。
…でもまぁ、「未発表原稿の梗概」がメインの本ですので、やっぱりクイーンファン向けの作品なんだよなぁ(;´Д`) つくづく勿体無く思いまする。ちゃんと小説として発表されていれば、クイーン晩年の最高傑作といってもおかしくない内容なのにっ。
つーかラストに犯人が語る動機が意味不明なんですけれども、これは何ですか。「大宇宙からの電波を受信したのだ」という理解でいいのん?(;´Д`)
うーん…。「間違いの悲劇」以外は大したこと無い内容ですので、そんなにクイーン読んでないよ、という人は別にスルーしても問題ない…かな?
クイーン大好き人間にとっては大いに満足できる内容です、何も問題はありません。ご安心をっ!