小説感想 道尾秀介「背の眼」



背の眼 (GENTOSHA NOVELS―幻冬舎推理叢書)

背の眼 (GENTOSHA NOVELS―幻冬舎推理叢書)


「レエ オグロアラダ ロゴ………」


ホラー作家の道尾が、旅先の白峠村で聞いた不気味な声。その言葉の真の意味に気づいた彼は東京に逃げ戻り、「霊現象探求所」を構える友人・真備庄介に相談した。そして、道尾は真備と助手の北見を伴い、再び白峠村に向かう。そこで知った未解決の児童連続失踪事件と、村に伝わる「天狗伝説」。血塗られた過去に根差した悲愴な事件の真実とは?第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。



ありとあらゆる意味で惜しい佳作。


世間の評判では「京極夏彦風味のホラーミステリ」とゆー話でしたが、読んで納得。なるほど京極です(;´Д`) (作中の某シーンで思わず笑っちまったじゃねーかっ!)


とまあどんな感じに京極なのかってーのは実際に読んでもらうとして、と。


恐らく作者も最初から「ホラー風味のミステリ」を目指して書いたと思われるので、そんなに読んでて恐怖は感じませんでしたにゃ。序盤の「レエ オグロアラダ ロゴ………」の意味が判明するくだりはちょっとぞくり、と来ましたけど…それ以降はその、なんだ。まあアレです(;´Д`)


つーかホラーのくせに読後感が良いってーのはいいのか?(まあいいか)






………と、グダグダ言っておりますが作品としてはワシのツボど真ん中ストライクでしたので、かなり楽しく読めましたのですよこれが。
長すぎず短すぎず、適度に本格で適度にホラー、とエンタテインメント作品としては結構良作ではないかと思われますので、未読の人にはおずおずと「面白かったですよ?」とオススメしておきたいところです。


そして続編「骸の爪」も既に確保済み、これも面白かったそーなので読むのが楽しみだっ!