小説感想 三津田信三「厭魅の如き憑くもの」
- 作者: 三津田信三
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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憑物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、
生霊を見て憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、
死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、
得体の知れぬ何かに尾けられる巫女───。
そして「僕」が遭遇した、恐るべき怪死を遂げていく人々と謎の数々………。
奇才が放つ、ミステリーとホラーの禍々しい結晶、ついに昇華!
す、すげぇーっ!
何かもう、ワシにとっての理想の本格ミステリって作品です、こんな作品を待っていたッ!
文体から醸し出される禍々しさだけでも「こ、怖ぇ・・・」とテンション上がるってーのに、それが本格ミステリとしてきっちりと解決されるってーのはちょっと凄いことだと思いませんか貴方!(ずぅむ、と身を乗り出しつつ)
つーかぶっちゃけ今年読んだミステリでは一番好きかも。真相が明らかになった瞬間は「うぇぇーッ?」と素直に吃驚したし。まあ一歩間違えばバカミスなんですが(;´Д`) それを許さぬ舞台設定と作品の雰囲気に感服。つーか発生する事件がいずれも「祟りじゃ!カカシ様の祟りじゃぁ!」的な不可能犯罪ぞろいってのがステキ極まりないです。
漢字が難解、かつ人間関係が入り組んでいる為、かなり読み手を選ぶとは思うのですが…。しかしそれが逆にホラーとしてのおどろおどろしい雰囲気を醸し出しており、結構ドキドキしながら読むことができるのではなかろーか、と思う次第。やっぱりホラーは文章よな、うん。
つーわけで、ワシとしては猛烈にプッシュしたい作品です。様子見している人は迷うことなく買うよかろう、買えばわかるさっ!(いや、買った後に読まないとダメだけど)