小説感想 西村健「劫火」(上下巻)



劫火〈上〉 (講談社ノベルス)

劫火〈上〉 (講談社ノベルス)


小樽でロシア人による人質篭城事件が発生した。解放された人質が語る驚愕の事実。「奴らは携帯型の核爆弾を持っていた!」しかも事件の陰には日本を"再生"させようと暗躍する組織が…。成り行きで事件現場に遭遇してしまった我らがヒーロー・小田健は、徒手空拳の身で日本を核の恐怖から救えるのか───
ノンストップ・アクション巨編、いざ開幕!



劫火〈下〉 (講談社ノベルス)

劫火〈下〉 (講談社ノベルス)


携帯型の核爆弾を持ったロシア人テロリストが東京都庁を占拠!未曾有の危機に都民全員への避難勧告が発令される。そして空になった都心で、動き始める策謀"伐採プロジェクト"………。異変に気づいた小田健に続き、人間兵器・志波銀次、怪物探偵・大文字一徹が都庁に集結するも空前絶後の大崩壊は止められない?
ノンストップ・アクション巨編、ついに大団円!?



最高最強のエンターテインメント小説。


「ビンゴ」「脱出」「突破」でエンターテインメント(でもB級)アクション小説の道をひた走って来た西村健がついに到達した、エンターテインメントの極北と言っても過言ではない大傑作。とりあえずコレを読んでない人はハッキリ言って人生損していると思います。(断言)


でもやっぱりB級だけどな!


だがそれがいい、それでこそ西村健よ!結構きわどい政治思想を扱いながらも、それを主体にすることなく、あくまでも「面白ければいーやんけ」とゆースタイルを貫き通し娯楽に徹するその作風。これこそエンターテインメント。素晴らしすぎる。上下巻合計して1400ページ以上とゆー極悪な長さでありながらも「もっと!もっとページを!」と渇望してしまうくらいに夢中で読み進めましたよ。


唯一の難点はシリーズ前作である「ビンゴ」「脱出」「突破」を読んでいないと楽しさ半減、とゆーところかにゃ。読んでなくても楽しめるとは思うけれども、折角なので全て読了してから本書に取り掛かって欲しいものです。


兎に角、本年度はこの本を読まずして一体何を読むとゆーのかっ!いやないっ!(反語) と声を大にして主張したいところ。さぁさぁさぁ、ワシを信じて黙って読んでみるのです、さすればきっと幸せな読書体験ができること間違いなしっ!