小説感想 ジーン・ウルフ「新しい太陽の書④ 独裁者の城塞」



独裁者の城塞 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書)

独裁者の城塞 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書)


<拷問者組合>を追放され、流刑地スラックスからも逃走したセヴェリアンは、今また黄昏に沈む惑星ウールスの荒野を旅していた。やがてセヴェリアンは、兵士の死体にゆきあたった。宝石<調停者の鉤爪>をもちいて兵士をよみがえらせたものの、セヴェリアン自身が病に倒れてしまう。熱にうかされた夢で彼が見たものとは・・・・・・・・・SF界の絶賛を浴びた<新しい太陽の書>が、宇宙的規模の壮大なるクライマックスをむかえる最終巻



濃厚すぎるにも程があると思いますっ!


つーわけでこれまでの1〜3巻が単なる助走でしかなかったと思えるほどに、強烈なネタがてんこもりとなった本書。なるほど、確かにこいつぁファンタジーっつーよりもSFと呼ぶ方が相応しいっすな。


前回までの感想でも書いたよーに、兎に角読み手に優しくない内容なのですが・・・。さすがに4巻ともなれば読み手の経験値も上昇しておりますゆえ、割とサクサク読み進めることができました。作中の世界を紐解けたか、と問われると口笛を吹きながら明後日の方向を見るしかないのですけれども(;´Д`) (雰囲気だけは大変堪能できました、と胸を張って主張できますが)


読み手にかなりのスキルを求められますゆえ、幅広くオススメできる作品ではないです。でもよくわからんなりに「兎に角すげぇ本読んだなぁ」と思わせてくれる作品ではありますので、「趣味は読書っ!」と自負している方には是非ともトライして頂きたいところ。


だいじょーぶ、WEBにちゃんと解説&考察してくれてるサイトがありますからっ。その辺を参考にすれば内容がかなり理解できるはずですからっ!(たぶんね)


ワシとしては何時かまた再読したいところです、いやもう凄い小説だった。






で、WEBで調べて知ったんですけれども・・・この「新しい太陽の書」、未訳の5巻(これが真の最終巻みたい)があるそーで。そいつぁ是非とも訳出して欲しいなぁ、と星に願いをかけたいところですが・・・まあ多分無理だろーなぁ、諦念するしかねーか(;´Д`)