小説感想 アントニイ・バークリー「第二の銃声」
- 作者: アントニイバークリー,Anthony Berkeley,西崎憲
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: 単行本
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探偵作家ジョン・ヒルヤードの邸で作家たちを集めて行われた殺人劇の最中、被害者役の人物が本物の死体となって発見された。殺されたのは放蕩なせ威喝で知られる名うてのプレイボーイ。パーティには彼の死を願う人物がそろっていた。事件の状況から窮地に立たされたピンカートン氏は、その嫌疑をはらすため友人の探偵シェリンガムに助けを求めた。錯綜する証言と二発の銃声の謎、二転三転する論証の末にシェリンガムがたどりついた驚くべき真相とは?緻密な論理性、巧みな人物描写とプロットの妙。本格ミステリの可能性を追求しつづけたバークリーの黄金時代を代表する傑作。
まさかって感じだがグッときたぜ!
「なんちゅうもんを読ましてくれたんや・・・なんちゅうもんを・・・これに比べると(自主規制)のはカスや」*1
・・・と、思わず某料理マンガの某キャラのセリフをパクってしまった程のインパクトですよ。*2 ええ、まったくもって真相を見抜けませんでしたともさ。真相が解明した時点で「ええー!マジかよ!」と茫然自失ですぜ、まさかこのネタで攻めてくるとは・・・っ!
しかし確かに伏線は張られているし、また前例があるとはいえ処理の仕方は本作の方がかなり上なので、もうワシとしてはバークリーの邪悪さに恐れ慄きただ平伏すのみ。ごちそうさまでした。
しかしクイーンには絶対辿り着けない境地だよな、バークリーの作風って。まさしく探偵は喜劇役者よ。