小説感想 橋本淳一郎「神の仕掛けた玩具」



神の仕掛けた玩具 (KS一般書)

神の仕掛けた玩具 (KS一般書)


日本SFの驍将が満を持して放つ第1短篇集。宇宙を舞台に、時間と空間を越えた未知の世界を描ききる。表題作をはじめ、日本SFの歴史に燦然と輝く傑作全8篇を収録する。



おおぅ、中々良いじゃないですか。


表紙&タイトル買いした本書だったのですが、これが思った以上のクオリティーでワシもう大満足ですよ。ガチのSFなのですが、特に理解が難しい内容ではない(雰囲気が掴めればオッケー、みたいな)ゆえ、小説世界にどっぷりと浸ることができました。この内容ならば奇妙な味を求める人も大丈夫なんじゃぁないかな?


全部で8篇からなる短篇集なのですが、ワシ的に特にツボに入ったのは「超網の目理論」「スミレ」かな。前者はそのビジュアルさに心打たれ、後者は溢れんばかりの叙情性にやられました。表題作「神の仕掛けた玩具」も、なんともいえない余韻が残るし。


コストパフォーマンス的にはちと微妙(ちょっと高い)なところなので、気になる人は書店でちょいと立ち読みしてみるとよろし。ワシは十分楽しめましたよ。ハードなSFではないのでその辺が気になる人も大丈夫ではないかと思う、思うんじゃないかな、まちょっと覚悟はしておけ。