小説感想 橋本淳一郎「神の仕掛けた玩具」
- 作者: 橋元淳一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/31
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
日本SFの驍将が満を持して放つ第1短篇集。宇宙を舞台に、時間と空間を越えた未知の世界を描ききる。表題作をはじめ、日本SFの歴史に燦然と輝く傑作全8篇を収録する。
おおぅ、中々良いじゃないですか。
表紙&タイトル買いした本書だったのですが、これが思った以上のクオリティーでワシもう大満足ですよ。ガチのSFなのですが、特に理解が難しい内容ではない(雰囲気が掴めればオッケー、みたいな)ゆえ、小説世界にどっぷりと浸ることができました。この内容ならば奇妙な味を求める人も大丈夫なんじゃぁないかな?
全部で8篇からなる短篇集なのですが、ワシ的に特にツボに入ったのは「超網の目理論」「スミレ」かな。前者はそのビジュアルさに心打たれ、後者は溢れんばかりの叙情性にやられました。表題作「神の仕掛けた玩具」も、なんともいえない余韻が残るし。
コストパフォーマンス的にはちと微妙(ちょっと高い)なところなので、気になる人は書店でちょいと立ち読みしてみるとよろし。ワシは十分楽しめましたよ。ハードなSFではないのでその辺が気になる人も大丈夫ではないかと思う、思うんじゃないかな、まちょっと覚悟はしておけ。