小説感想 ジャック・ヴァンス「竜を駆る種族」



竜を駆る種族 (ハヤカワ文庫SF)

竜を駆る種族 (ハヤカワ文庫SF)


はるかな未来、人類最後の生き残りが住むさいはての惑星エーリスでは、風雲急を告げていた。バンベック一族の住むバンベック平を幸いの谷の一族カーコロが狙っていたのだ。異星の爬虫類種族を育て、さまざまな竜───阿修羅や金剛や一角竜から成る軍隊に仕立てたバンベックとカーコロは、まさに一触即発の状況。しかも、エーリスを狙う爬虫類型の異星人ベイシックが襲来しようとしていたのだ!名匠のヒューゴー賞受賞作。



妄想力を全開にして楽しむが吉。


ぶっちゃけた話、本書にストーリーはあって無いよーなものですので、プロットの妙技とかを楽しもうとしている人はガッカリするしかない内容なのですが(;´Д`)


じゃあ何を楽しむのかっつーと、作中で繰り出されるSF的世界観、コレ。こいつを己の妄想力で楽しむのが正解ではないかと。己が持ちうるヲタ知識を全開にして人にはとても言えないデザインの竜をてきとーに妄想し、ひとり悦に浸るのはとっても楽しいと思いますがどーよ?どーなのよ?楽しいよね?楽しいですよねっ!(と、しつこく念を押す)


受身の姿勢で読書してしまうとイマイチ面白みを感じない作品ですので、お読みになる際は是非気合を入れて取り掛かるが吉。つーか「金剛」とか「阿修羅」とか「羅刹」とか、原書ではどんな単語が当てられていたんだろう・・・?訳者の浅倉氏、センス良すぎ。