小説感想 ロジャー・スカーレット「ローリング邸の殺人」



ローリング邸の殺人 (論創海外ミステリ)

ローリング邸の殺人 (論創海外ミステリ)


乱歩もその巧妙な手法に魅せられた、アメリカの本格推理作家スカーレット。
数少ない作品中、未訳だった最後の1冊が満を持して登場。
とある屋敷にて病死する主。その裏でほくそ笑むのは誰だ?未亡人、義姉、主治医、執事、そして親友を名乗る男・・・。
それぞれの横顔が疑惑の影に覆われる。複雑に絡み合った怨念の糸を、ボストン警察のケイン警視が巧みに繙いてゆく。



素晴らしきサプライズ。


序盤〜中盤(事件が発生するまで)はちょいとばかりテンションが低い展開が続きますし、事件起きてからもびみょーに地味な展開なのでイマイチ盛り上がりに欠けるのですけれども。ですけれどもっ!最後の最後、真相解明で狙い済ましたパンチをもらってノックアウトされちまいました(;´Д`) な、なんちゅー豪快なトリックなんだ・・・ッ!まったくもってその考えはなかったなぁ。すげぇぜスカーレット。「エンジェル家の殺人」といい、この人やはり只者ではないな。ミステリの神に愛されすぎじゃね?


しかし正直、「ちょwwwありえなさすぎwww」と突っ込みを入れてしまいたくなるトリックではありますゆえ、ワシ的には本書をバカミスと認定したい所存。理由は読めばわかる、わかるともっ!ええ、十分過ぎるほどにわかりますともさ。


ワシ的には大満足の作品。結末のサプライズっぷりはかなりのものがあると思いますよ?ささ、興味のある方は是非に。


ちなみに解説は某二階堂大センセイが担当してるぞっ!(あら、言っちゃった!@ピーコ風)