小説感想 西村健「笑い犬」



笑い犬

笑い犬


会社をかばって堀の中に転落した銀行マンが絶望の果てに浮かべた笑みが、卑怯で小狡い"勝ち組"をおののかせる・・・
刑務所小説と企業人小説と家族小説の革新的融合、ここに誕生す。



後半のテンション高すぎ。


「蛙の子は蛙」と申しますが、西村健もまた何を書いても西村健らしい小説にしかならないっつー事が本書によって証明されますた。つーか後半(第2部)のカタルシスっぷりは異常としか言いよーがないのですが(;´Д`) うむ、実にすっきり。すげー爽やかな気分だぜ、まるで新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよ(以下略)。


とゆーか魂がスパークしすぎです、西村氏。まあそれがいいんですけども。


ちょっと話が前後しましたが、本書は2部構成となっております。1部が刑務所、2部はその後。刑務所編も中々に生々しく(?)描写されており、それだけでも結構興味深く読めるのですが、さらに2部ではっちゃけた内容を楽しめるっつー1冊で2度美味しい内容。非シリーズものなので、手にとりやすいとも思うしね。文体にちょいとクセがありますが、なあに読んでるうちに免疫がつく。(リズム感があってワシはこの人の文体大好きです)


ワシ的にはかなりイチオシの作品、面白さはワシが保証する。とりあえず西村氏の小説の面白さを知るためにまずは、まずは本書に触れてみるんだ。(そして気に入ったらオダケンシリーズを順に読み進め、「劫火」へと辿り着きましょう)