小説感想 赤木毅「魔大陸の鷹 完全版」



魔大陸の鷹 完全版 (ノン・ノベル)

魔大陸の鷹 完全版 (ノン・ノベル)


<「三種の神器」を探し出せ───>
時は大正、浪漫の時代。放蕩に耽る伊集院従吾に海軍大将にして苦手の叔父・隆介の密命が下る。成吉思汗の墳墓より発見された未知の金属板に超古代文明の産物たる「神器」のありかが記されていたのだ。世界支配をも可能にするこの秘宝を他国の手に渡してはならぬと冒険の旅に赴いた従吾の前に、米国海兵隊員の凄腕や黒魔術を操る謎の怪人・暗闇公爵がたちはだかる。絶海の孤島、氷の大陸、そして帝都東京で繰り広げられる三つ巴の争奪戦の行方は!?読者の強い要望に応え待望の復刊!



大好物ですッ!


実に素晴らしき伝奇小説。粗筋からして頭の悪さ(注:誉めてます)が全開の本書ですが、ワシもう大好き。この手の作品は大好物なのですよ。2段組600ページちょっと、っつー結構な長さにも関わらず一気に読んじゃいました。異様なほどにテンポがよいのでさくさくと読み進められるこの小気味よさ。うーん、さすが合本で復刊するだけのことはありますな、一発で作者のファンになりましたとですよ。これなら現在刊行中の続編も超絶に期待がかかるってもんですよ、ええ。


つーかストーリーもいい感じでおバカなのですが、登場するキャラがどいつもこいつも結構な愉快人間なのが実にステキ極まりないですにゃ。従吾に絡む美女2人をはじめ、マッドな学者の大木戸博士があまりにもいい味出しすぎです。萌え。(萌えゆーな)


あまりにも頭が悪い(注:くどいよーですが誉めてます)ゆえ、「そんな子どもっぽいもの読んでられないよ」っつー中二病を患っている方にはお勧めできませんが、かなり良質のエンターテインメント作品なのでワシ的には胸を張ってお勧めしたいところ。つーかめっちゃ面白いので是非に。