これをやらずに今年は終われません



本年度読了分の裏ベストを紹介。このベストがどんなコンセプトで編まれたものかは語らぬが花とゆーものであろう。


あ、ちなみに順不同で並べてますです。


裁くのは誰か? (創元推理文庫)

裁くのは誰か? (創元推理文庫)



マルツバーグ&プロンジーニ「裁くのは誰か?」。


一人称が「われわれ」っつー殺人者が登場した時点で完敗です。読了後「や、やられた・・・反則ぎりぎりだ!」 or 「どうみても反則です、本当に(以下略)」となるかは読んだ貴方が決めること。まさに歴史に残るバカミスといえましょう。


最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)

最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)



レオ・ペルッツ最後の審判の巨匠」。


ラストの力技はマジ外道。一瞬にして読者を彼岸の彼方へ押しやるその手腕、恐るべしレオ・ペルッツ・・・!


メルトン先生の犯罪学演習 (創元推理文庫 145-1)

メルトン先生の犯罪学演習 (創元推理文庫 145-1)



ヘンリ・セシル「メルトン先生の犯罪学演習」。


あまりにもベタな出だしと、美しすぎるオチに思わず吹き出さずにはいられませんでした・・・。今回セレクトした作品群の中では一番ふつーにお勧めできるかな?


百番目の男 (文春文庫)

百番目の男 (文春文庫)



ジャック・カーリイ「百番目の男」。


衝撃の動機。これにつきます。この先、このインパクトを超える動機を描いたミステリはもう生まれないんじゃね?


文章探偵 (ハヤカワ・ミステリワールド)

文章探偵 (ハヤカワ・ミステリワールド)



草上仁「文章探偵」。


誤字・脱字のチェックにご執心なその赤ペンセンセイっぷりに惚れた。面白かったんだけどな・・・。


十兵衛両断 (新潮文庫)

十兵衛両断 (新潮文庫)



柳生雨月抄

柳生雨月抄



荒山徹「十兵衛両断」&「柳生雨月抄」。


「伝奇小説なら何をやってもいいってゆーレベルじゃねーぞ!」とゆーことをワシらに教えてくれた荒山先生。


一生ついていくよ!


編集室の床に落ちた顔 世界探偵小説全集 (14)

編集室の床に落ちた顔 世界探偵小説全集 (14)



キャメロン・マケイブ「編集室の床に落ちた顔」。


長すぎるエピローグに悶絶すること必至。つーか近年の国内新本格でもここまでやってる作品はねっすよ。人間の想像力って凄いなぁ。


探偵術教えます (晶文社ミステリ)

探偵術教えます (晶文社ミステリ)



パーシヴァル・ワイルド「探偵術教えます」。


このユーモアっぷりはただ事ではありませんぜ。スラップスティック系ミステリの大収穫。これもふつーにお勧めできるかな。


凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)

凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)



三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」


ガチの本格ミステリでありながら、一読バカミスと気づかないその脱臭っぷりには脱帽です。何で本ミスでは評価低かったんだろ・・・。「本格ミステリ」っぷりでは「厭魅の如き憑くもの」よりも上だと思うけどな。


ウロボロスの純正音律

ウロボロスの純正音律



竹本健治ウロボロスの純正音律」。


奇々怪々の実名ノンフィクション風フィクションミステリ。このオチをふつーに許容できるワシは一体どーしたら。(もう手遅れです)






うーん、並べてみると実に病んだラインナップだよな(;´Д`) たま〜に読むからいいのであって、連続してこれらの作品を読んでるとたぶん人として大切な何かが失われそうな気が激しくします。


願わくば、来年もよきバカミスに出会えんことを。