小説感想 ロアルド・ダール「キス・キス」



キス・キス (異色作家短編集)

キス・キス (異色作家短編集)


残酷で、皮肉で、冷徹で、透明な、ダールの短篇世界。一度味わえば、その味わいは二度と忘れられないものとなる。「女主人」「誕生と破局」「ウィリアムとメアリイ」など、忘れ得ぬ11篇を収録。



これが異色作家短篇集の実力か・・・ッ!


異色作家短篇集、第1巻はロアルド・ダールの短篇集。(チャーリーとチョコレート工場の原作者の人です)


いやーもうね、シリーズトップを飾るに相応しい、実に異色としか言いよーがない作品集でしたぜ。どの話も地味ながら、ボディーブローのよーにじわりじわりとハートに響きやがってくれます。この読後感はやばい、マジやばい。クセになるってゆーレベルではありません。もっとダールの他の短篇が読みたいぞ!読みたい!読みたーい!(わかったから落ち着け)


どの話も大変面白かったのですが、あえてピックアップするならば「ウィリアムとメアリイ」「牧師のたのしみ」「誕生と破局」「豚」あたりが超ツボ。中でも「牧師のたのしみ」はあまりと言えばあまりなオチに悶絶。他の作品群が重たい話ばかりだったので、大変癒されました。牧師さんに幸あれ。あと「誕生と破局」はオチがあまりにも強烈すぎてワシ絶句。タイトルが深すぎるにもほどがある。


・・・と、ワシ的には大満足な逸品。ヘンな話がお好きな人は買って損なし、の良品と言えましょう。ささ、貴方も異色作家短篇の世界へ入門をば。