小説感想 北野勇作「恐怖記録器」




売れないホラー作家に持ち込まれた、夢を記録するだけの実験だという怪しげなアルバイト。その日から作家は、繰り返しある悪夢にとりつかれることになる。一方、ある男が近所を徘徊する不審な黒服の男たちの陰謀に気づき、憑かれたようにその一部始終を書き残そうとするのだが───。幾重にも連なる入れ子の世界の中で繰り広げられる、箱庭的ホラーワールド!



うぉう、こいつぁスゲーな。入れ子構造的ストーリーがもたらす眩暈感って奴は実に精神にぞわりと来るぜ。北野勇作独特の文体による雰囲気といい、読了後の何とも言えないいやーな読後感といい、実にナイスなホラーに仕上がっているのではないかと。つーかこーゆー味も出せたのか北野氏。同じホラー作品の「人面町四丁目」に比べると段違いのホラーっぷりじゃないのよさ。


中々によい狂気を味わえる作品ですので、その手の話がお好きな方ならツボに入る作品かと。氏のファンには勿論オススメですよっ!






・・・でも正直、ワシは「人面町四丁目」の路線のほーが好きだなぁ・・・。