小説感想 佐飛通俊「宴の果て 死は独裁者に」



宴の果て 死は独裁者に (講談社ノベルス)

宴の果て 死は独裁者に (講談社ノベルス)


日本の南に浮かぶ島───日本から独立した科学的社会主義の国「弥生」。その元帥様が、犯行不可能な国防委員会の最中、毒殺された!だが側近は事実を隠蔽。目星をつけていた日本人・有明無明を浜松の海岸から拉致し、影武者として元帥様を演じさせるが、また新たな事件が・・・。「弥生」は、そして無明はどうなる?妙にリアルな、国際サスペンス本格ミステリー誕生!



うむ、微妙。


・・・うーん、その、何だ。とっても中途半端としか・・・。(口を濁しつつ)


せっかく「某国をモチーフにした世界観」という美味しいネタを扱っているのに、こんなオチじゃぁ到底充足感は味わえませんよ。いくらリアルさを出したかったからとはいえ、これはちょっと予定調和すぎるっつーか、意外性のカケラもねーってのはなぁ。国際サスペンスとしてはあまりにもスカスカな内容だし、また取って付けたよーなトリックが逆に違和感を醸し出しているので本格ミステリとしてもどーかな、と思うとです。


まぁ表紙がおバカなので、ワシとしてはそれで全て良しとする。(待て)


つーかもっとはっちゃけよーよ!どーせフィクションなんだからさ、もっと割り切って無茶やってよかったんじゃね?ネタがネタだけに、実に勿体ない。