小説感想 ヘンリー・ウエイド「推定相続人」



推定相続人 世界探偵小説全集 (13)

推定相続人 世界探偵小説全集 (13)


気ままな生活を送る遊び人ユースタスは、借金をかさねて零落の危機にあった。折りもおり、親戚の水死事故の報を耳にした彼は、莫大な富を有する一族の長老、パラディス卿の財産相続権を狙って、立ちふさがる上位相続人の殺害を決意する。思いがけず標的の従兄から鹿狩りに招待され、計画は順調に進むかにみえたが・・・。二転三転する展開と意外な結末、英国ミステリきっての実力派ウエイドの傑作。



うーん、悪くないけど・・・。


倒叙形式ゆえの面白さ(サスペンス性とか、犯人の心理描写とか)は十分堪能できるんですが、いかんせんメインとなるミステリ的面白さが欠けている気が激しく致します。ある程度訓練されたミステリ読みならば、後半に差し掛かったあたりで作者の目論見が一発で見抜けるんではないかにゃ。つーか別に見抜けたからどーのこーのってゆー内容でもないけどさ、この展開にするならばもちっと見せ方っつーか隠し様があったんじゃないかなぁ。「じゃぁどーすればよかったのよ」とツッコまれると、口を濁して曖昧な笑顔を浮かべることしかできませんけど(;´Д`)


十分に良作だと思いますが、個人的にはちょい不満足かな。