小説感想 C・デイリー・キング「空のオベリスト」



空のオベリスト 世界探偵小説全集(21)

空のオベリスト 世界探偵小説全集(21)


「4月13日正午、おまえは死ぬ」
国務長官の緊急手術に向かう著名な外科医カッター博士に送りつけられた不気味な犯行予告。ニューヨーク市警の敏腕刑事ロード警部は、あらゆる事態を想定して護衛にあたったが、ニューヨークを飛び立って数時間後、その目の前で博士は倒れた───。
上空数千フィート、空の密室ともいうべき飛行機の中で、果たして何が起きたのか。エピローグを巻頭に配した構成、手掛かり索引など、さまざまな技巧を駆使し、フェアプレイを掲げて読者に挑戦する、パズラー黄金期の旗手キングの幻の名作。



ナイス本格っ!


エピローグから始まるっつー構成な時点でワシのテンションは上がりっぱなしだとゆーのに、かつ限定空間(飛行機内)での殺人とくればもう本格好きにはたまらん内容だよなぁ。中盤に仕込んだネタの驚愕度といい、犯人指摘のロジック(シンプルなところに痺れます憧れます)も上々、思わず笑顔になってしまうオチの邪悪さといい、これはもう手放しで絶賛したくなるとゆーものですぜ。大いに堪能致しました。ごちそうさまです。


つーわけでかなりオススメの作品。訳文にクセなどもないので、海外ミステリに不慣れな方でも読みやすいんじゃないかな?