小説感想 赤城毅「熱沙奇巌城」



熱沙奇巌城―魔大陸の鷹シリーズ (ノン・ノベル)

熱沙奇巌城―魔大陸の鷹シリーズ (ノン・ノベル)


<地下王国アガルタの水晶宮を発掘せよ!>「狂男爵」の悪名を取る怪将軍がラマ教寺院から強奪した古代地図。それは数奇な運命をたどり、1924年碩学大木戸博士の手に落ちた。そこに記された謎の宮殿を求め、冒険児・伊集院従吾は秘境に旅立つ。目指すは、赤色騎馬軍が疾駆し、匪賊が跋扈する動乱のゴビ砂漠。金髪美女と黒髪の美少女、そして異端の知性とともに密かに外蒙古の国境を越える従吾。その行く手をさえぎる剛腕将校。だが、真の敵は人類破滅をたくらむ秘密結社の大幹部、鉄仮面の"教授"であった・・・。



素晴らしきB級。


粗筋だけで頭が痛くなりゲップが出てしまうほどの濃さ(注:誉めてます)ですが、恐ろしいことに本編にはこれ以上の恐るべきネタが仕込まれているのです。つーかB級のダメな伝奇冒険小説にはやっぱり「パンチだ!ロボ!」的なアレが出てこないと嘘だよな!実に作者はわかってらっしゃる。ぐっじょぶすぎるぜ赤城毅!普通なら投入するのに躊躇するよーなネタを惜しげもなくドカドカ放り込むその創作姿勢にはほんと頭が下がります。あまりに面白さに一気読みですとも、ええ。


つーわけで最高の一言に尽きます。続き(全3巻)がありますので、そちらもさくさくっと読んでしまいましょ。