小説感想 ジェイマス・スミス「わが名はレッド」



わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)


犯罪組織を裏で操る男レッド・ドック。幼いころ親に捨てられた彼と弟は、荒れた修道院で凄惨な少年期を送る。やがて弟は非業の死を遂げ、彼は誓った。俺の人生を破壊した奴らを皆あの世に送ってやる、と。20年後、レッドは誘拐した警官夫婦の赤子を利用し、親族への復讐を開始。誰も予想だにしなかった究極の犯罪計画がついに幕を開ける・・・。「Mr.クイン」でミステリ史を塗りかえた著者が放つ「史上最悪」の暗黒小説。



な、なんとゆースピード感・・・っ!


300ページちょっとの長さなのに、「レッドの犯罪計画」「女性の死体でオブジェを作るサイコキラーピカソ」「ピカソに監禁された女性」とどれもこれもステキ極まりないイベントがてんこ盛り。すげースピードで話が進むのでぐいぐいとページを捲らされるパワーと話のリズム感は素晴らしいものがあると思うのですが、逆にあまりのテンポの良さに「も、もちょっとスピード落として説明してくんね?」とゆー個所が多々感じられたのはワシだけなのでしょうか(;´Д`) (特にラスト近くはもちっとページを割いて欲しかったとですよ。これだからいいのだ、とゆー人もいらっしゃるでしょーが・・・)


まぁそーゆーのは個人の好みもあるしね。意外な真相(つーか作品のテーマか?)が明らかになった後に得られる読後感含め、ワシとしてはかなり楽しめた作品でした。妙に心に残る話ではありますので、クライム系サスペンス作品がお嫌いでなけりゃ読まれてはいかがでしょ。