小説感想 マイケル・ギルバート「スモールボーン氏は不在」



スモールボーン氏は不在 (SHOGAKUKAN MYSTERY)

スモールボーン氏は不在 (SHOGAKUKAN MYSTERY)


ロンドンの法律事務所の書類金庫の中からある日、外遊中のはずだった顧客スモールボーン氏の遺体が発見された。事務所で煙たがられる存在だった共同管財人の彼を、なぜ、いつ、誰が、ただでさえ人目に付く事務所の中で、それも開閉に多くの鍵を必要とする面倒きわまりない金庫に、どうやって詰め込んだのか?チャンドラーの法律顧問でもあった英国の弁護士作家が、さりげないユーモアを込めて描き出した人間パズル。二十世紀ミステリの黄金時代を代表する正統的本格派ミステリの本邦初訳登場!



「精緻」とゆー言葉がぴったりな本格ミステリ


魅力的なキャラクター、ユーモア溢れる会話、英国の風を感じられそうな雰囲気、落ちるべきところに落ちる納得の真相、もう全てがワシ好みの超良作。「でも地味すぎね?」とゆー意見は却下だ却下っ!これほどの探偵小説(あえてこう呼びます)を前にして、ワシが取るべき行動はただ一つ。感謝と畏怖の念を込め「ごちそうさまでした」と呟くだけですぜ。うーむ、やはり英国ミステリはいい・・・実にいい・・・ッ!


別に派手なトリックがあるわけでもなし、劇的なエンディングを迎えるわけでもないですが、クラシックなミステリがお好きな方ならきっと心に残る作品になるはず。この完成度に痺れるがよいよいよい(残響音含む)