小説感想 P・G・ウッドハウス「ウースター家の掟」



ウースター家の掟 (ウッドハウス・コレクション)

ウースター家の掟 (ウッドハウス・コレクション)


疾風怒涛の面白さ!!


バーティーついに刑務所いりか?
極北的理不尽美少女の無理難題を前に、またまたスープに浸かり続けるご主人様。
ありとあらゆる難問を解決し続ける天才執事ジーブス、今回のお手並みはいかに!



ウッドハウスはまさに神。


キチガイの、キチガイによる、キチガイのための、究極的バカ小説。キチガイ揃いの大祭典。登場人物全てがキチガイっつーああもう何だこのカオスっぷりは!主人公のバーティーさんはいつも愉快なバカっぷりを披露してくれるけれども、まだ彼がまともに見えてしまうほどのキチガイばかりだぜ本作は!つーか英国紳士淑女にはキチガイしかいないのかとあらぬ偏見を持ってしまいそうだぜ!


・・・つーかこんなイカれた話を書けるなんで、ウッドハウスは本物のキチガイなんじゃなかろーか・・・?(注:最上級の誉め言葉です)


まぁキャラが狂ってるのはいいとして(いいのか?)、本作はストーリー構成の巧みさもまた極上なのでありますよ。つーか端的にまとめると「バーティーが愛するダリア叔母さんから受けた密命を果たす話」なんですが、そこにウースター家の掟「汝、友を落胆させるべからず」「汝、女性の求愛を拒絶することなかれ」が絡むとあら不思議、あっとゆーまにカオス極まりない狂った展開が目白押しに。よくもまぁこんな混沌とした入り組んだお話をすっきりと纏め上げることが出来るもんだよなぁ・・・。まさに極上、大傑作とゆー他にない作品ですぜ。


読んでて笑いが止まらない、愉快極まりない面白小説ですので、これは是非多くの方に読んでもらいたいなぁ。本書単独でも楽しめますけど、ストーリー的には「よしきた、ジーブス」の続編なので、本書を読まれる際にはまず「よしきた」を読まれてからトライするが吉かと。