小説感想 友成純一「ホラー映画ベスト10殺人事件」



ホラー映画ベスト10殺人事件 (光文社文庫)

ホラー映画ベスト10殺人事件 (光文社文庫)


ホラー映画評論家・庄内良輔の周囲で、映画関係者が次々と惨殺されていく!しかも『悪魔のいけにえ』『スキャナーズ』など、彼がベスト10に挙げた映画の殺人シーンと同じ殺され方で。動機は山ほどあってアリバイは無い───。庄内は有力容疑者となってしまうが、謎の殺人鬼は、彼自身の背後にも迫っていた。
映画界の裏側をブッタ斬る、伝説の傑作がついに文庫化。



何気に友成純一はこれが初トライとなるのですが・・・いやーバカ過ぎだろこれ。(注:もちろん誉めてます)


タイトルからはミステリっぽい感じがしないわけでもないですが、実際の内容はスラップスティック・スプラッタ・コメディ・ホラーともゆーべき内容。ミステリを期待して読むと間違いなく期待はずれとなりますゆえ、その点ご注意を。(ま、言わずもがなの注意ですな) つーかむしろホラーっつーレベルを超えてギャグの領域にまで到達しているよーな気がしないでもない。つーか気がする。どーみてもギャグだよなぁこれ。登場する映画評論家たち、及び犯人の思考がかなりキれていてイイ感じに笑えるし、特にクライマックスにおける犯人と庄内氏との追いかけっこはあまりにもシュールすぎてもう生暖かい微笑みしか出ねーよ!やはりチェーンソーは永遠のロマンだな、うん。ワシもひとつ欲しい。(何気に問題発言)


また解説によれば本作で描写されている映画評論家の生態などについては8割方本当らしいので、その辺の裏事情を知ることができることも何気にポイント高いかな?映画に興味ない人にとっては「ふーん」程度で済む程度のものですけど・・・。


スプラッタ描写もあまり大したことはないので、さらりと読めて一笑できるナイスな良品かと思われます。ワシはもう大好き。くだらない本が大好きな貴方!是非とも本作をば試してみると幸せになれるかもだ。