小説感想 ケリー・リンク「スペシャリストの帽子」



スペシャリストの帽子 (ハヤカワ文庫FT)

スペシャリストの帽子 (ハヤカワ文庫FT)


十歳の双子の姉妹が、母親を亡くして初めて迎える夏のこと。屋根裏部屋で、二人は帽子でない帽子<スペシャリストの帽子>を手に入れた・・・世界幻想文学大賞受賞の表題作ほか、既婚者としか関係を持たないルイーズと、チェリストとしか関係を持たないルイーズ───二人のルイーズを描くネビュラ賞受賞の「ルイーズのゴースト」など、米ファンタジイ界最注目作家が軽妙なユーモアにのせて贈る第一短篇集。



ケリー・リンクはこれが初トライなんですが・・・。むぅ、何だろ。このわかったよーなわからんよーな奇妙な感覚は。どの話も独特の世界観を持ってて、その世界観に惹かれ没入して読んでても「???」な感じがずーっと付き纏うとゆー、なかなかに稀有な読書体験をさせてもらいましたよ。いや、難解すぎて意味不明っつーんじゃなくて、なんつーか、ああもう文章に起こしにくいな、ええと、自分がイメージした世界は果たして作中で語られた世界観と合致しているのかどーか、何か致命的にカンチガイして決定的なズレがあるんじゃね?っつー違和感っつーか不安感っつーか。


・・・なんか読了して結構時間経過してもイマイチうまく消化できてないなぁ。自分で積極的に読み解くっつーよりも、作者の用意した世界に浸って何も考えずにイマジネーションの世界で揺蕩っているのが良い読み方なのかもしれんです。ってまぁそれは人好き好きか。


とっても吸引力のある話揃いの短篇集だと思います。だってワシ、読了後に即読み返したりしてしまった程だし。ワシとしては「面白かった」よりも「うーん、不思議な話」とゆー印象をもった本ですが、一読の価値は十分にありと思いますので幻想的なお話がお好きな方は是非是非。