小説感想 マイクル・コナリー「わが心臓の痛み」(上下巻)



わが心臓の痛み〈上〉 (扶桑社ミステリー)

わが心臓の痛み〈上〉 (扶桑社ミステリー)



わが心臓の痛み〈下〉 (扶桑社ミステリー)

わが心臓の痛み〈下〉 (扶桑社ミステリー)


連続殺人犯を追い、数々の難事件を解決してきたFBI捜査官テリー・マッケイレブ。長年にわたる激務とストレスがもとで、心筋症の悪化に倒れた彼は、早期引退を余儀なくされた。その後、心臓移植の手術を受けて退院した彼のもとに、美しき女性グラシエラが現われる。彼女は、マッケイレブの胸にある心臓がコンビニ強盗に遭って絶命した妹のものだと語った。悪に対する怒りに駆り立てられたマッケイレブは再び捜査に乗り出す。因縁の糸に操られ、事件はやがてほつれ目を見せはじめるが・・・。



やはりコナリーは神。


ボッシュ・シリーズでお馴染みコナリーのノンシリーズ長編。・・・いや、マッケイレブはボッシュ・シリーズの某作品にも登場するのでマッケイレブ・シリーズの第1作とするべきかな?まぁそれはどーでもいい話か。えっと、本作はクリント・イーストウッドにより「ブラッド・ワーク」というタイトルにて映画化されており、また最近木曜洋画劇場で放送されたよーですのでひょっとしたらご存知の方もいらっしゃるかも?コナリー作品の中では比較的知名度が高い作品なんじゃないかな、と思われます。と思うんじゃないかな。だと思うよ。(徐々に弱気に)


マッケイレブのキャラは「心臓手術直後で激しい運動などは厳禁」や「元FBIのプロファイラー」など、中々にいい味出しているんだけど・・・。作中ちょいちょい「手術直後なんだから」と触れられはするものの当のマッケイレブにあんま自覚がないのか、割とアグレッシブな行動派なのはどーゆーこったよとツッコミを入れたくなることもないがまぁそれは別にいいか。(個人的にもちっとこの辺に気を使って欲しかったなぁ)


序盤こそコンビニ強盗の捜査、とゆー小さな(?)事件を追っかけることになるマッケイレブですが、もちろんそれだけで事件が終わるはずもなく。徐々に事件がスケールアップし、最終的にマッケイレブ自身にも事件そのものが影響を及ぼしてくるとゆー捻りが効きまくったプロットがもう痺れること痺れること。この辺のプロットの組み立てと見せ方はさすがコナリーとゆーべきシロモノで、もう読んでて「うぇぇぇぇぇっ?」と驚愕ものの展開を見せやがり、序盤にさりげなく張られた伏線に結びつく妙技はまさに職人芸としか言いよーがありませぬ。うむ、やはりコナリーは神だな。


つーわけでワシ的にはもう大絶賛。「コナリー読んだ事ないよ」とゆーお方は、本作を読めば大体コナリーがどーゆー作家かわかると思いますので興味のある方は是非是非っ!つーか読んで、読んでよぅ。ほんと面白いよ?