小説感想 フィリップ・K・ディック「最後から二番目の真実」



最後から二番目の真実 (創元SF文庫)

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)


世界を二分して終りなくつづく核戦争。地上に蔓延する放射能をのがれて人々は無数の巨大な地下塔にひそみ、過酷な生活を送りつつ、<要員>という名の戦闘用ロボットの生産に追われている。ときおり地上の模様が上映されるが、戦争の帰趨は決するようすもない。───だが、これはすべてまやかしだった。戦争は10年以上前に終結しており、少数の特権階級の支配する世界ができあがっていた。彼らは人々を地下にとどめておくために、さまざまな欺瞞を仕掛けつづけているのだ。ディック60年代の秀作を新訳で贈る。



ワシにとってディックはこれが初トライの作品となりやす。(SFは素人同然なので・・・)


いやー、なんつーか、一筋縄では行かない話っつーか、ぶっちゃけヘンテコな話だったなーとゆーのが正直な気持ち。壮大な世界観の割には終始セコイ(?)レベルの話のみに留まっているっつーか・・・そう、世界の動向よりも人間同士のドラマで終始話が進んじゃうので、みょーに局地的な感じっつーか、なんつーか、ええと、いやこれはこれですげー面白かったので全ていいんですけど、ああもうなんだこのモヤモヤ感は!「まぁこれがディックの味よ」と言われればそれまでなんだろーけどさぁ・・・。ワシとしてはもちっとストーリーに盛り上がりを求めていたのでちょいと肩透かしを食った感じでございます。いや、ほんと面白くは読んだんだけど。(読書テンションがあまり高くないときに読んだので、ひょっとしたら読み間違いをしている可能性もあるかもですが)


難易度は決して高くないのですが、みょーに読者の期待を裏切るストーリー展開ですので読む際にはちょいとばかり気合を入れて取り掛かるが吉かと。つーかワシ、前述したよーにこれがディック初トライだったのですが、異様に心に引っかかるところがあったのも事実なのでもちっとディック作品を読んでみよーかと思います。まずは「流れよ我が涙、と警官は言った」あたりかな?