小説感想 山口雅也編「山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー」



山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)

山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)


本格ミステリの華・密室トリック。国内・海外の巨匠が執筆した、意外な謎と解決が冴える傑作短編。そして伝説の名作、フランク・R・ストックトンの「女か虎か」をはじめとする「謎物語(リドル・ストーリー)」の数々───。
本格ミステリ界きっての博識を誇る作家・山口雅也が初めて編纂したミステリ・アンソロジー。入門者からマニアまで、全ての読者を驚かせ、満足させる必読の一冊!



ぐれいと!


本格ミステリ・アンソロジー」とは銘打っていますが、実際は「バカ本格ミステリ・アンソロジー」と言ってもいいくらいのバカ作・キワモノ作揃いでワシもう大狂喜。さすが山口雅也、と言わんばかりの収録作っぷりで心底堪能しました。しかしこれ、ぶっちゃけ入門者向けじゃないよなぁ(;´Д`) 山口氏の「ミステリーズ」とか「マニアックス」とかが死ぬほど好きな人間にはたまらぬ作品だと思うけど。つーかこの狂ったセレクトの収録作を読み通すと、山口氏のミステリ観が何となく垣間見えるので、本格マニアならばその辺も興味深く思えるかも。(とりわけ密室に対しての捕らえ方は本書収録の4編と「ミステリーズ」収録の「密室症候群」、「マニアックス」収録の「人形の館の館」あたりも合わせて読めば面白いかもだ)


あとワシ、「リドル・ストーリー」っつージャンルには本書で初めて触れた(どんなものかは知っていたけど、まだ未読だったのよん)んですが、思っていた以上に肌にあってちょっと嬉しかったりも。読了後のもにょもにょ感が実に馴染むっ!馴染むぞっ!とゆー感じだったので、またチャンスがあればこの手の作品読んで見たいなぁ、と思った次第。


ワシにとって本書はびゅーてぃふる・わんだふる・えきせんとりっく・えくせれんと・その他もろもろの賛辞の言葉を贈りたい作品集でございますが、まぁ一般向けじゃないよなコレ。ある程度訓練された本格ミステリ読みに推奨。