小説感想 ヘイク・タルボット「絞首人の手伝い」



絞首人の手伝い (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

絞首人の手伝い (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)


汝、オッドの呪いによりて朽ちはてよ・・・晩餐会の席上で始まった、つまらない口喧嘩にすぎないはずだった。だがクラーケン島の所有者フラント氏に向けて義弟のテスリン卿が呪いの言葉を吐きかけたとたん、異変は起きた。その場に昏倒したフラントは、なんとそのまま絶命してしまった!しかも怪異は続いた。フラントの死体は死後数時間もたたないうちにすっかり腐乱してしまったのだ・・・一族に伝わる呪い、水の精霊のたたり、襲いかかる怪物、そして密室の謎。不可能犯罪ミステリの醍醐味をたっぷりと詰めこんだ幻の本格ミステリ、ついに登場。



あー、悪くないけど・・・。


ちょいとばかしトリックが小粒っつーのが気になるっちゃー気になるところですが、「これでもかっ!これでもかっ!」といわんばかりの不可能性&怪奇性を追求した内容がステキ極まりないのでワシとしては全て良しとするものでありまする。・・・ま、まぁ最後まで読んで「肩透かしを食っちまったぜふぁっきん」と思ってしまう人もいるっつーのもよくわかるんだけどさ(;´Д`) トリック至上主義の人にゃぁ本作はちょいと受け入れにくいだろーなぁこれ・・・。


本格ミステリなのに、探偵役のローガン・キンケイドさんがやたらハードボイルド風味なのが展開にちょっとしたエスプリを与えており、その辺が結構面白く、ある意味バカミスと呼べなくもな・・・いや、さすがにそれは牽強付会か(;´Д`)


一応、古典ミステリ好きにはオススメできるブツだと思います。トリックよりもこのストーリーに酔いしれるがよいよいよい。