小説感想 ジョン・ディクスン・カー「剣の八」



剣(つるぎ)の八 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

剣(つるぎ)の八 (ハヤカワ・ミステリ文庫)


幽霊屋敷に宿泊中の主教が奇行を繰り返すという訴えがあった。主教は手摺りを滑り下りたり、メイドの髪を引っ掴んだり・・・さらに彼はとてつもない犯罪がこれから起こると言っているらしい。警察はその言葉を信じていなかったが、主教の言葉を裏付けるように隣家の鍵のかかった部屋で射殺体が発見される。そして死体の側には一枚の不吉なタロットカードが!続出する不可解な謎にギデオン・フェル博士が挑む。新訳決定版。



駄作・バカ作の呼び声が高い(瀬戸川猛資「夜明けの睡魔」より)本書。確かにこれはまぁ、その、なんだ、ねぇ。(目をそらしつつ)


恐らくは元々の原文が悪いと思うんだけど、とにかく読みにくいの一言。読んでて思考の切り替えがとっても必要っつーか、なんかやたら散漫な印象を持ったんだよなぁ。オカルト、ユーモア、本書の売りである素人探偵たちによる推理合戦、どれをとってもなんかすげー中途半端。トリック的な面白さよりもフーダニット的な面白さを追求したのはわかるんだけど、ロジックの果てに辿り着く「こいつが犯人だっ!」とゆーカタルシスにも欠けてるんだよなぁ。


でもまぁ、カーだしな。ワシ的には十分満足です。ファンなら面白がれると思うよ!思うよ!たぶん。(やっぱり目をそらしつつ)