小説感想 グリン・ダニエル「ケンブリッジ大学の殺人」
- 作者: グリン・ダニエル,小林晋
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/05/29
- メディア: 文庫
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ケンブリッジ大学が明日から長期休暇に入るという夜、フィッシャー・カレッジ内で門衛が射殺された。副学寮長のサー・リチャードは、一見単純に見える事件に複雑な背景があることに気づき独自の調査に乗り出すが、やがて帰省した学生のトランクから第二の死体が発見され・・・。めくるめく推理合戦、仮説の構築と崩壊、綿密きわまる論理的検証、そして卓越したユーモア。考古学教授を本職とする著者がものした、本格ファンの魂を揺さぶる幻の40年代クラシック・パズラー、ついに本邦初訳なる!
渋い。
渋いかつ知的、すなわちボキャブラ風でゆーならば渋知。全体に漂うユーモア感こそあれ、派手な展開は一切なく、延々と尋問→仮説→新事実発覚→尋問→以下エンドレスで話が進むため近年の新本格のよーな作品がお好きな方にはちょっと辛いかも。クラシックファンなら間違いなくツボに入ると思います・・・だって様々な人間による論考・反論がすげー重厚でゲップがでそーな程堪能できるし、また当時の風俗っつーかイギリスらしい風を感じられるし。
まぁちょっとばかし真相及びオチが肩透かし気味だったけど、そこに至るまでのプロセスで十分楽しめたのでワシとしては全て良しとするものです。つーかこのオチはある意味バカミスと言え(以下自粛