小説感想 筒井康隆「銀齢の果て」



銀齢の果て (新潮文庫)

銀齢の果て (新潮文庫)


増大した老齢人口調節のため、ついに政府は70歳以上の国民に殺し合いさせる「老人相互処刑制度」を開始した!和菓子司の隠居、宇谷九一郎の住む宮脇町には、もと自衛官、プロレスラー、好色な神父など「強敵」が犇いている。刃物と弾丸が飛び交い、命乞いと殺し合いの饗宴が続く。長生きは悪なのか?恐怖と哄笑のうちに現代の「禁断の問い」を投げかける、老人文学の金字塔!



どこをどーみても名作「バトル・ロワイヤル」の筒井バージョンという作品なのですが、これは一種のオマージュ(?)っつーか狙ってやったと思われるのでまぁそこはスルーするものとしてだ。全体的なブラックユーモア感はまぁそれなりにあるんだけど、その、何だ、すげぇ読みにくいと思ったのはワシだけか?段落切り替わった瞬間に視点が変更されたりするので、えらい散漫な印象を受けたんだけど。数行空けるとか、ナンバリングするとかすればだいぶ印象変わったと思うんだけどなぁ。この辺がすげぇ勿体無いと思いました。


いい年してよくもまぁこんな話思いついてそして書き上げるよな、という筒井氏のその狂気じみた心意気は買いますが、ぶっちゃけあんま面白くなかった(註:ワシ的に)のでスルーしてもいいんじゃね?と思う所存。生き残りをかけたサバイバル感とかサスペンス感とかアクション描写とか社会問題提起とか全部中途半端なんだよなぁ・・・。