小説感想 アーサー・C・クラーク「幼年期の終り」



幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))


人類が宇宙に進出したその日、巨大宇宙船団が地球の空を覆った。やがて人々の頭の中に一つの言葉がこだまする───人類はもはや孤独ではない。それから50年、人類より遥かに高度の知能と技術を有するエイリアンは、その姿を現すことなく、平和裡に地球管理を行っていた。彼らの真の目的は?宇宙知性との遭遇によって新たな道を歩みだす人類の姿を、巨匠が詩情豊かに描きあげたSF史上屈指の名作。



なるほどこれは傑作。


プロローグ、巨大宇宙船団が地球の空を覆う圧倒的なビジュアル感。第一部「地球と上帝たち」におけるオーバーロードの圧倒的な科学力、進化しつづける人類の様子。第二部「黄金時代」において頂点を極めた人類の生活様子、そして裏で動くオーバーロードの怪しげな企み。そして第三部「最後の世代」で明らかになる人類進化の果ての姿と、オーバーロードの真の企み、そしてラストのカタストロフィー&カタルシス。噂に違わぬとてつもないクオリティーで大変満足致しました。つーか読んでてびっくりしたのが、難解な理論などが一切登場しないってところ。「SF=ムズカシイ」とか思っている人でもまったく安心、ストーリーを追うだけで素晴らしきイマジネーションの世界に没入することができますぜ。


ちなみにワシが読んだのは早川版(2003年度28刷)なのですが、読み終えてから表紙を見てちょっと鳥肌が立ちました。それが何でかは読んでからのお楽しみってことで。・・・ってもうみんな読んでるか(;´Д`)